2012年12月21日に発売されたばかりの日本HPのハイブリッドPC「HP ENVY x2」をお借りしました。 液晶部分とキーボード部分が分離してタブレットとしても使えるハイブリッドなノートPCです。 性能はそこそこですが、Modern UI (旧名:Metro UI)の操作や、ウェブ閲覧などはとても軽快です。 タッチパネルの反応や操作性も良好です。
構成は、液晶:タッチ対応、11.6インチ(1366 x 768ドット)IPS液晶、 OS: Windows 8、 CPU: Atom Z2760 (1.80 GHz)、 メモリ:2GB、 ストレージ:64GB(eMMC)、 グラフィック:Intel GMA、 光学ドライブ:なし、 バッテリー:最大19時間、 価格:6万9930円(送料別)。 これから数回にわけてレビューいたします。
目次 1) これはなに?
2) スペック確認、ベンチマーク、最初に行った作業
3) 外観、キーボード周辺
4) 起動時間、体感速度、液晶チェック
5) バッテリー、消費電力、電気代、発熱、騒音、音質、カメラ
6) 感想・まとめ
※ 実機をお借りしてレビューしています。 掲載料、広告料などはいただいてません。 記事の内容は私が実際に使ってみた個人的な感想です。 メーカーや第三者の指示は一切ありません。
詳細は以下より
なにこれ?
今回は日本HP(ヒューレット・パッカード社)製の11.6インチ型ハイブリッド・ノートPCをお借りしました。 名前は「HP ENVY x2 11-g005TU スタンダードモデル」。 Windows8搭載ノートPCです。
特徴はキーボード部分を切り離して、11.6インチ型タブレットとしても使えるところです。 その日の気分や場面によって「ノート」「タブレット」の2つの形態を選べます。
上動画はタブレット型にしてタッチ操作してるところ。 Modern、ニュース、IEなどMicrosoftが標準で用意してるプログラムはとてもスムーズに動作します。 気持ちいい!
・・・でもデスクトップ側から自分でインストールしたものはここまでスムーズではありません。。。 これからソフト側で最適化されるかな(期待)
HP公式の紹介動画
購入
■ タブレット ENVY x2 製品詳細 HP Directplus
参考
■価格.com - HP、ハイブリッドPC「HP ENVY x2」を12/21発売
■HP新製品発表会レポート(3)「HP ENVY x2」編
■【西川和久の不定期コラム】日本HP「ENVY x2 11-g005TU スタンダードモデル」 ~キーボードを取外し可能なClover Trail搭載ハイブリッドPC
スペック確認
注目したのはバッテリー駆動時間の長さ。 本体のみで約10時間45分、キーボード側にもバッテリーが内蔵されてて、合わせると約19時間も駆動します(公称値)。 すごいね。 昨夜、試しにバッテリーテスト(radiko.jpの連続再生)を実施してみたのですが、約10時間2分使えました。 19時間には届きませんでしたが、この結果は悪くないと思います。 負荷を下げるともう少し延びそうです(後ほどまたテストします)。
液晶はIPS方式です。 視野角が広くて、発色が綺麗! メモリとディスク容量は少なめです。 OSは32ビット版です。 おかげでPDFのサムネイルはキチンと表示できます(図)
CPUはAtom Z2760 (1.80 GHz、2コア4スレッド)。 Atomといえば、「安かろう遅かろうのネットブック用CPU」というイメージが強くて、あまり好きじゃないのですが、HP ENVY x2を使ってみた限り、その面影は感じませんでした。 逆にModern やIEなどを操作してると予想以上にサクサク動くのでビックリします。 とはいえ、もちろん高性能というわけではありません。 30秒のHD動画のエンコードには1分以上かかります。
OSはWindows8(32bit)。 今まではWindowsとは違い、起動するとModern UI(旧名:Metro UI)が表示されます。 「デスクトップ」は動線的に脇役扱い。 これまでと同じように使おうとするとかなり戸惑います。
サブ機でWindowsタブレットを体験したいと考えてるなら楽しめますが、メイン機で今までと同じように使いたいならWindows8はもう少し様子見したほうがいいかと思います。
■第2回 Microsoftによる次世代インターフェース─Modern UI:Windows 8に学ぶ次世代ユーザエクスペリエンス|gihyo.jp … 技術評論社
■【Windows8】 メモ帳や電卓など すべてのプログラム を表示する方法
内蔵ディスクは64GBのeMMC。 速度はSSDよりもやや遅いです(後述)。 初期の空き領域は約35GBとちょい少なめ。 (D)はRecovery用。 普段は使いません。
グラフィックはIntel GMA。 「Speccy」ではなぜか表示できませんでした(上図)。 光学ドライブは搭載してません。
ベンチマーク
一番低いサブスコアは「ゲーム用グラフィック」の3.3でした。 CPUのスコアも3.4と低め。 でもウェブ閲覧程度なら余裕です(
追記:よくよく比べてみたらピンチイン・アウトの拡大縮小表示がぎこちない(対応してない)だけで、FirefoxやChromeでもウェブ閲覧はストレスなくできました。 IEはWindows8に最適化してるので、それら操作性を含め軽快です。
eMMCのせいか、似たようなスペックの「HP Pavilion dm1-4200」(SSD)よりもディスク速度は若干遅めです。
■DirectDrawとは IT用語辞典
■OpenGLとは IT用語辞典
■ベンチマークソフト「CrystalMark09」で「D2D」とは何を意味するのでしょうか?
いつもならゲームのベンチマークテスト(ストリートファイターIV)と(ファイナルファンタジーXIV )を実行するのですが、「HP ENVY x2」はこの2つのベンチマークソフトがうまく起動しませんでした。
他のノートPCのベンチマーク
■日本HPの11.6インチ型モバイルノートPC「HP Pavilion dm1-4200」
■DELLのウルトラブック「XPS 13」
■ガラス仕立ての綺麗な14インチ型Ultrabook 『HP ENVY14-3100 SPECTRE』
■【Windows 7】お絵かきに使える液晶タブレット搭載ノートPC「ThinkPad X220 Tablet」
最初にした作業
貸出機なのでまずはリカバリをしてPCをまっさらな状態に戻しました。 やり方はココにまとめました →「【Windows8】 PCを工場出荷時の初期状態に戻す方法」 2時間ほどかかりました。 長かった・・・
探したらもう一つ方法がありました。 「すべてのプログラム」 から 「HP Recovery Manager」からの操作で「工場出荷時の初期状態に戻す」ことができそうです。 返却時はこれを試してみます。
リカバリ後、いつもならセキュリティーソフト「Microsoft Security Essentials」を導入するのですが、Windows8は同等のセキュリティ機構が備わっているとのこと(図)。 なのでインストールする必要はないみたいです。
他には・・・
■Firefox ブラウザ
■Chrome ブラウザ
■Google 日本語入力
■Picasa 写真管理・編集ソフト
■WinShot キャプチャソフト
■XMind マインドマップ作成ソフト ←
などをインストールしました。 XMindはインストールに失敗しました。 また後で試してみます。 ← 追記:IEでDL > ファイルに保存 > 実行したら無事にインストールできました
外観チェック
キーボードを接続した状態で外観をじっくり観察いたします。
表面の素材はアルミニウムです。 ヘアライン加工されてて、高級感があります。 細部までキチンと作りこんでいて鑑賞に耐えうる造りです。 カッコいいです。 全身金属のせいか、手に持つとずっしり重く感じます。 重さは約1.41kg(公称値)。 でも、サブPCとして使ってる「HP ProBook 5220m (約1.67kg)」や、以前お借りした「HP dm1-4200 (約1.53kg)」よりも重く感じるけどね・・・と思い、実際に測定してみました。 そしたら、ほぼ公称値通りでした。 あらそう、体感ってアテにならないね・・・。 ということは、「HP ENVY x2」はHP製ノートPCの中では軽い部類です。
液晶の下に足があります(上図矢印部分)。 液晶とキーボードドックをドッキングさせる部分です。 液晶を開くとこの”足”によりキーボードに適度な傾斜がつきます。 使いやすいです。 でも見た目は少々野暮ったいかも。
液晶はここまで開きます。 普通のノートPCならもう少し開いて欲しいと思うところですが、「HP ENVY x2」は視野角が広いIPS液晶を採用してるので、上から見ても色変化が少なく画面が見やすいです。 だからこれで問題なし。
液晶は11.6インチ(1366 x 768ドット)。 サイズ的にはモバイルノートです。 普通のノートPCと同じように液晶を閉めるとスリープ、開けると解除できます。 液晶画面はタッチ操作に対応してます。
金属の色はシルバーです。 シャンパンゴールド風に見える写真もありますが、撮影中に部屋に夕日が差し込んだせいです(撮影用のライトが欲しい~)。
インターフェース類
USBなどインターフェース類は少なめです。 USB端子はすべて2.0で、3.0はありません。
ディスプレイ端子もHDMIのみ。 DVDなどの光学ドライブは内蔵されてません。 別売りです。
■外付け 光学ドライブ Amazon
背面にはmicroSDカードスロットが見えます。 液晶側に配置されてて、キーボードを分離してタブレット型として使う場合でもコレは使えます。
裏面もシンプルです。 形状を見てお分かりかと思いますが、バッテリーやメモリなどは、ユーザーが自分で交換・増設することはできません。 分解する技術がある人には可能かもしれませんが、基本的に交換作業ができる設計にはなってません。 そしてファンレスです。 動作音はしません。 無音!
上写真はシャンパンゴールドに見えますが、実際の色はシルバーです。 撮影中に夕日が差し込んでこんな色になってしまいました。。。
付属品
付属品はこんな感じ。 電源コードはデスクトップPCと共通のもの。 太いです。 コレを持ち歩くのは大変なので、ウォールマウントプラグアダプターが付属してます。
ACアダプターの端子はいつものとは違い、まるでApple製品のアレみたいな形状です。 LEDが内蔵されてて充電状況が色でわかります。
タブレット部分
では次にキーボードを外して外観を観察いたします
「タブレット」と「キーボードドック」はワンタッチで取り外せます。 着脱は楽です。 ← 不安定な場所(膝とか)では苦労するかも。 ガタツキなどはありませんし、シッカリ安定してます。
タブレットとキーボードドックの分離完了。
薄っ! タブレットの薄さは約8.6mmです。 現iPad(9.4mm)よりも薄いです。 しかし重さは710g。 現iPad(652g)よりも58gほど重いです。
タブレット使用中の姿。 う~ん、結構重い。 長時間この姿勢で使うのは疲れます。 支えが欲しい。 上写真は縦表示で使ってます。 他のタブレット製品同様、縦横回転表示に対応してます。 切替もスムーズです。
7インチAndroidタブレット Nexus7と並べて、重ねてみました。 画面サイズは7インチ型と11.6インチ型。 比べると「HP ENVY x2」のほうが2倍以上大きいです。 こんなに違うとはおもわなんだ。 見やすさが全然違います。 そして重さも全然違います(340g vs 710g)。 室内で使うなら「HP ENVY x2」のほうが見やすくて快適ですが、毎日持ち歩くとなるとやはり7インチ型タブレットの方が楽でしょうね。
タブレット面にもmicroSDカードスロットがついてます。 HP ENVY x2のディスク空き容量は少ないので、32GBで1500円ほどのmicroSDカードが追加できるのは助かります。
■microSDカード Amazon
天板(背面)には800万画素のカメラがあります。 画質はそれなり。 コンパクトデジカメには敵いません。 他のタブレット端末並です(写真1、写真2)。
スピーカーはタブレットの前面下部の左右に配置されてます。 ステレオです。 音質はノートPCとしては普通ですが、タブレット端末として見るとズバ抜けてます。
キーボード
日本語配列のキーボードです(84キー)。 クセの少ない配列です。 右下にある矢印キー(上下)は相変わらず狭いですが、これは使っていれば慣れます。
ファンクションキーは「マルチメディアキー」が基本になってます。 F1 ~ F12 を基本にしたい人はBIOSで変更できると思います。 ←本機では未確認です。 間違えてたらごめんなさい
■マルチメディアキーを無効にして、F1~12キーを有効にする方法
キーのサイズはデスクトップPCのものとほぼ同じ(キーピッチ:約18.9×18.9mm)。 キーストローク(約1.5mm)は少し浅く、キーを押した感触に乏しいのですが、使用には問題ありません。
手を置く場所も十分確保されてます。 大きすぎず、小さすぎず、出先でテキスト打ちするにはちょうどいいサイズです。 なかなか使いやすいキーボードです。
■Windows 8 のタッチ操作とショートカットキー | HP サポート
タッチパッド周辺
円状ヘアライン加工されたタッチパッド。 見た目も指ざわりも良くて、反応も上々。 クリックボタンも軽めで押しやすいです。 今までHP製ノートに採用されてた一体型タッチパッドはクリックボタンが重くて使いづらかったのですが、今回そこが改善されてます。
そして・・・
「2本指タップで右クリック」を実装。 待ってましたよ、この機能。 いやほんと便利です。 もうタッチパッドにはクリックボタンは要らないんじゃないかと思うほどです。 「Macには昔からあるけどね」というご指摘はありがたく頂戴いたします
あと、今までと比べての変更点は、
2本指スクロールが逆方向の操作になります。 上に指を滑らすと下スクロール、下に指を滑らすと上スクロール。 タブレット系の操作感を採用したようです。
2本指でスクロール操作してるところ
起動時間
電源を入れて、Googleアプリを起動 > 検索 > その結果が出るまでの時間を調べてみました。 上の動画がその様子です。 結果・・・
約33秒
・・・でした。 速いです。 高速SSDを搭載したハイスペックPC並の速度です。 Windows8 は起動が速いと聞いてましたが本当なんですね。 HP ENVY x2の内蔵ディスクはベンチマークテストの結果から判断するに、そこまで速くはありません。 もしOSがWindows7以前だったら起動に1分以上かかるハズです。
※もう少しテキパキ操作したならあと数秒速くなるハズですが、年末~正月明けくらいまで我が家の無線LANの調子が悪くて接続がうまくいきませんでした。 無事に接続できた状態では上動画が最速でした。
他のPCの起動時間
■SSD搭載、ハイスペックなデスクトップPC「HP Pavilion HPE 380jp 」
約25秒 SSD搭載機
■DELL「XPS 13 Ultrabook」
約28秒 SSD搭載機
■ HP ENVY14-3100 SPECTRE
約28秒 SSD搭載機
■12.1インチ液晶、ビジネス向けノートPC「HP ProBook 5220m/CT」
約36秒 SSD搭載機
■ハイスペック・デスクトップPC「HP Pavilion Desktop PC e9380 春モデル」
約44秒 HDD搭載機
■省スペース型デスクトップPC「HP Pavilion Desktop PC s5450jp」
50~52秒ほど HDD搭載機
■CULVノートPC「HP Pavilion dm1a」
約1分 SSD搭載機
■12.5型 スタイリッシュ・ノートPC「IdeaPad U260」
約1分4秒 HDD搭載機
■ハイエンドすぎるモバイルノートPC「 VAIO Zシリーズ 」
約1分5秒 クァッドSSD搭載
■【6コア】省スペース型デスクトップPC「HP Pavilion s5-1030jp」
約1分13秒 HDD搭載機
■「HP Pavilion Desktop PC HPEシリーズ 春モデル」
約1分17秒 HDD搭載機
■PCの起動時間 一覧
体感速度
HP ENVY x2 のスペックはネットブック並です。 ネットブックといえば、以前ならサクサク動作を期待してはいけない存在でした。 しかし「HP ENVY x2」はわりと軽快に動作します(Modern UI使用時)。 「ネット閲覧」「メールの返信」「SNSへの書き込み」する程度だったら不満なく使えます。
電子書籍「ブラックジャックによろしく」を読んでいるところ(Modern UI・Windows8スタイルUIアプリケーション)。
上海
Modern UI以外では・・・
ネット閲覧は軽快です。 デスクトップでファイルを開くときに若干モタつきます。 個人的な使い方になりますが、外付けDVDドライブからPhotoshop CS4をインストールしたら、それが遅くて遅くて遅くて・・・。 インストール後もPhotoshopを軽快に動かすのは無理ですね。 画像の拡大縮小表示がワンテンポ遅いです。 ちょっとした画像編集と修正くらいなら我慢して作業できるかな。。。と、そんな感じ。 搭載メモリが2GBですし、CPUもATOMですから仕方ありませんね。 メインで使うのは勘弁してほしいですが、サブなら使えそうではあります。 ちなみにペンタブレットはintuos3が使えました。 ドライバはまだWindows8には対応してませんが動作しました。 筆圧感知も使えました。
では恒例の「HP ENVY x2」のCPUの限界を探るテストです。 負荷をかけてCPU使用率を100%にしてみました。 上画像はその時の様子です。 結果は・・・
・Windows7付属のサンプルHD動画(1280*720) 3個同時再生
GOMPLAYERで再生
これでCPU使用率が瞬間的に100%に達しました。 ATOMにしては優秀な結果だと思いますが、実はひとつの動画を開くのに数秒手間取ります。 体感的にはひとつの動画再生でも精一杯に見えます(CPU使用率は50%以下ですが)。 2Dグラフィック性能は低めです。
液晶チェック
タッチ操作に対応した11.6インチのグレア(光沢)IPS液晶です。解像度は1366 x 768ドット。 視野角が広くて、発色が綺麗な液晶です。
TechPCvg(フリーウェア)を使って液晶の色味や視野角を確認してみました。 ※下図はカメラで撮影したものです。 実際に目で見たときの印象とは若干異なります。
どの角度から見ても破綻はありません。 斜め上から見た時に若干薄くなる印象ですが、気になるほどではありません。 綺麗です。
使ってて気づいたのですが、
液晶面を光で反射させると表面にモアレと、模様のようなデザインパターンが見えます。 これは・・・タッチパネルのセンサーワイヤーかな? Nexus7などのタブレット端末ではこういうワイヤーは見えません。 タッチパネルの方式が違うんでしょうか? なんにせよ、普通に使っていれば見えませんから使用の妨げになるものではありません。 うっかり気づいてしまったので一応ここに書いてみました。
バッテリー駆動時間
BBenchを使い、バッテリー駆動時間を測定してみました。 電源プランは「バランス」です。 バッテリー残量が2%を下回ると電源がOFFになる設定です。
1)液晶輝度中間、 時々ウェブ閲覧、 Picasaで画像スキャン、 radiko連続再生
約10時間2分(36171秒)
2)液晶輝度4分の1、 時々ウェブ閲覧、 ほぼ放置
約13時間6分(47189秒)
3)液晶輝度中間、時々ウェブ閲覧 ゲーム少々(タブレット部分のみ)
約5時間26分(19614秒)
公称値は約19時間~タブレット部分のみで約10時間45分です。 それと比べると少し短いです。 でも10時間超えはノートPCとしてはかなり長いほうです。 外出したらほぼ1日使える駆動時間です。 タブレット部分のみだと5時間半程度。 こちらはぼちぼちかな。。。 どういう条件にしたら公称値の10時間45分にたどり着けるんでしょうね?
他のPCやタブレットのバッテリー駆動時間
■iPod touch 5th
■7インチAndroidタブレット「Nexus 7」
■14インチ Ultrabook『 HP ENVY14-3100 SPECTRE 』
■15.6インチハイスペックノートPC「HP ENVY 15-3000」
■15.6インチワイド・スタンダードノートPC「HP Pavilion dv6-6100」
■13.3インチ「HP Pavilion Notebook PC dm3i 春モデル」
■ハイエンドすぎるモバイルノートPC「 VAIO Zシリーズ 」
■12.1インチビジネス向けノートPC「HP ProBook 5220m/CT」
■11.6インチ型低価格モバイルノートPC「HP Pavilion dm1-4200」
消費電力
ワットチェッカーを使って「HP ENVY x2」の消費電力を計測してみました。
消費電力(満充電時に計測)
1) アイドル時 2~4W (輝度最小~最大
2) ウェブ閲覧 4~6W (読み込み時一瞬
3) CPU使用率100%時 ~8W
・ 充電中 35~37W
充電中は普通のノートPC並の消費電力ですが、通常運転では10W以下です。 超省電力設計です。 すごいねこれ。
電気代
消費電力をもとに1年間の電気代を計算してみました。 消費電力は平均して4W程度、1日12時間使用すると仮定しています。 電気代の単価は電力料金目安単価の22円/kWh(税込)で計算します。 厳密に計算するのは忍耐的に不可能なので目安としてみてください。 1年間の電気代は以下のとおりでした。
4W × 12時間 × 1年間 = 17520W時間
1年間の電気代 約385円
うわ、このPCランニングコスト低すぎ!
その他のPCの電気代
■各PCの1年間の電気代
発熱はほとんどなし、騒音ゼロ
液晶部分(タブレット部分)にCPUなど発熱要因が格納されてるわけですが、使用中に発熱は気になるようなことはありませんでした。 キーボードドッグも発熱を感じることはありません。 逆に冬のこの季節は金属ボディが冷たいくらいでした。
そして騒音もゼロ。 なぜならファンレスだから。 いいね!
スピーカーの音質
タブレットの下部の左右にスピーカーが配置されてます。 ステレオです。 音質はノートPCとしては中の下くらい。 タブレット製品としてみると上位クラス。 タブレット端末でステレオスピーカーを内蔵してる製品は少ないですからねぇ(というか私はまだ見たことない)。 ←追記:「Kindle Fire HD 16GB:Amazon」はステレオスピーカーを搭載してるようですね
カメラ
タブレットの背面(天板)には800万画素のカメラが内蔵されてます。 画質はコンパクトデジカメと比べると劣りますが、タブレット製品としてみると標準的でしょうか
少しざらついた画質ではありますが、読書メモに使うには十分な画質です。 片手での撮影は非常にやりにくいですが・・・。 気になるのはまれにソフトフォーカスになってしまうところ。 なぜこうなるのかよくわかりません。 単に手ブレしてるだけですか?
背面カメラで撮影した動画です。 フルHD動画です(1920*1080)。
液晶面のカメラは画質的にはコミュニケーション用ですね。
Windowsなのでタブレット製品とは違い、今まで慣れ親しんだソフトを使って、写真を加工したり、それをブログにアップできるところがメリットですね。
ちなみにカメラの起動はModern UIからアイコンをクリックします(左図)。 画質(解像度)は調整できます(右図)。 初期状態では低画素に設定されてました。
部分的な感想
以下は貸出機を使ってみた私個人の意見、感想です。 使う人によってはまったく違う意見を持つかもしれません。 ご容赦ください。
・外観、デザイン
筐体はアルミ製です。 細部までしっかり作りこまれてます。 高級感があってカッコいいです。 この季節は冷たいけどね。 液晶部分とキーボード部分が分離してタブレットとしても使える変形型(ハイブリッドPC)です。 結合部分は頑丈です。 というか全体的に頑丈だけどね。 タブレット部分は710g。 薄くて軽くて持ち運びしやすいです。 キーボードドッグを含めると約1.4kg。 キーボードドッグにはバッテリーが入ってるので少し重めです。 軽さを求めるならキーボードドッグの代わりに「Bluetoothキーボード」を用意するといいかと思います。
・体感速度、処理性能
Modern UI は全般的にサクサク・キビキビ動作します。 ネット閲覧なども快適。 CPUにAtom系を採用してたので、昔流行った安かろう、遅かろうのネットブックを想像してたのですが全然違いました。 それとは比べ物にならないくらいレスポンスがよかったです。 ただ、デスクトップ内で、今までのWindows用ソフトウェアを使うと、やはり処理能力の限界を思い知ります。
・Windows8
今までのWindowsだと思って使うと非常にストレスを感じます。 電源を切るにも 8 ならではの作法を覚えなきゃいけません(リンク)。 なんてこったい! あとね、標準設定で 画像(jpg)をクリックするとModern UIの「フォト」で全面表示されます。 デスクトップとModern UIを行ったり来たりするのでまどろっこしいです。 カスタマイズすれば今までのWindowsのように使えますが、だったらWindows7でいいのではないかと。。。 というか個人的には Windows7 のほうが好きです。 現時点では 。 しかしタブレット製品としてみた場合、Modern UIは純粋に面白いですね。 動作は軽快ですし、アプリを開く際のアクションが心地いいです。 今はまだPC用UI(ユーザー・インターフェース)とタブレット用UIが主導権争いをしてるように感じるので、今後、もう少しうまい具合に融合(または分離)してくれたらなとおもいます。
→「【Windows8】 メモ帳や電卓など すべてのプログラム を表示する方法」、「 Windowsストア 内を検索する方法」
・キーボード周辺
キーボード配列やタッチパッドに文句ありません。 今までのHP製ノートPCのほとんどはクリックボタンが使いづらかったのですが、HP ENVY x2はそこも問題ありません。 「2本指タップで右クリック」も実装されててとても便利です。
・液晶
IPS液晶を搭載。 視野角が広く、発色も綺麗です。 いいね! 10万円以下のノートPCでIPS液晶を採用してるのは珍しいです。 液晶は光沢系で映り込みは多いです。 タッチパネルの反応は良好です。 文句ありません。
・バッテリー性能
タブレット部分のみだと約5時間~、ノートPC型にすると10~13時間程度。 公称値には届きませんでしたが、バッテリー駆動時間はとても長いです。
・騒音
ファンレスですし、内蔵ストレージはeMMCなので無音です。
・内蔵スピーカーの音質
ステレオスピーカーを搭載してます。 タブレット製品としてみると非常に優れてます。 ノートPCとしてみると 中 ~ 中の下くらいでしょうか。
・カメラ
背面のカメラは800万画素です。 少しざらついた画質です。 コンパクトデジカメには敵いません。 タブレット製品としては標準的かなと思います。
まとめ
良いところ
1) 長時間バッテリー
2) 液晶の視野角が広い
3) 高級感のあるカッコいいデザイン
4) Modern UIのレスポンスが良い
イマイチなところ
1) Windowsストアアプリがまだ少ない
2) スペックが低い(CPUの処理能力、メモリ搭載量など)
3) 少し不安定なところも
Windows用のヘビー級ソフトウェアを扱うにはスペックが貧弱ですが、ブラウザ(IE)や Modern UI はサクサク軽快に動作します。 操作してて気持ちいいです。 「HP ENVY x2」は形状もそうですが、使い勝手も今までのWindowsノートと別物です。 基本はキーボード付きタブレット製品で「イザとなったらWindowsも使える」というポジションに置くのが最適かと思いました。 OSの起動やスタンバイからの復帰も速いし、バッテリー性能も高いので、セカンドPCやタブレット製品としての使い勝手がいいです。 Windowsストアアプリがまだ全然少ないところがネックですけどね(笑)
気になったのは不具合が少し残っているところ。
負荷をかけるとOSが不安定になるときがありました。 あと、スタンバイから復帰するとタッチパッドの「2本指タップで右クリック」が無効になってたり、再起動するとかなりの確率で液晶の輝度がMAXにリセットされたりもしました。 再現性がなくて、明確な原因がわかりません。 32bit版のWindows8のせいなのか、はたまた貸出機特有の問題か・・・。 ドライバー系の問題だったら今後のアップデートで解決すると思います。
(了)
リンク
■ HP ENVY x2 HP Directplus
■ HP ENVY x2 HP サポート
■ 日本HP 個人向けノートPC タブレット 一覧
■ 日本HPの直販サイト「HP Directplus」
■ HP DirectPlus 楽天市場店 & Yahoo!店
■ HP ENVY x2 Amazon
■ HP ENVY x2 楽天
■ HP ENVY x2 11-g005TU スタンダードモデル 価格.com
■ HP ENVY x2 Yahoo!オークション
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リサーチリンク
■ ノートパソコン の ベストセラー Amazon
■ 週間売上ランキング(ノートパソコン) 楽天
■ 人気売れ筋商品ノートパソコンランキング Yahoo!ショッピング
■ ノートパソコン 売れ筋ランキング 価格.com
※ 実機をお借りしてレビューしています。 掲載料、広告料などはいただいてません。 記事の内容は私が実際に使ってみた個人的な感想です。 メーカーや第三者の指示は一切ありません。